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黒部の顔 byニコニコタウン

田中忠次の企画展の冊子を執筆した水野透さん (69)=富山県昆虫同好会 事務局担当


Q 生前の田中先生をご存じとか。
A 昆虫少年だった小学6年の時から先生にはいろいろ教えていただきました。
外見から近寄りがたい印象でしたが、やがて一緒に酒を飲む歳になり、陽気な方だと知りました。
Q この冊子、内容が豊富で労作ですね。
A 先生の業績はだいたい頭の中に入っていたのですが、まとめるのに約半年かかりました。会場では先生の精緻なイラスト画をぜひ見てください。

企画展 田中忠次と富山県の昆虫 3/21まで宇奈月友学館で開催

田中忠次
約40年間の教員生活の後、亡くなるまでの約20年間、合わせて60年余りの間、田中は富山県の昆虫を調べ続け、昆虫の報告約270編、植物関係の報告約70編を残しました。
●1600種余りをまとめた手書きの『富山縣の昆蟲』(1945年3月)より
「戦局いよいよ重大化し、筆者も何時召集されるかわからぬ身である以上、一度戦場にのぞむ上は、あとに心残りなく存分に働きたい。これが今の念願である。従って筆者なきあと、集めた標本も徒に害虫の餌食となり、何等の価値もなくなってしまふものと思わねばならぬ。この事を思ふ時、僅かの資料であるが、一時も早くまとめて残して置きたいとの念にかられてずさんながら富山県の昆虫を記録して置かうと思うものである。」
●新種の昆虫「タナカハバチ」 
田中は採集した昆虫の名前を判別するのに苦労し、全国の研究者に標本を送って判別を依頼していました。1969年に北アルプス剱岳の仙人池で採集した高山性のハチが新種であることが解り、その学名に「tanakai」(和名呼称:タナカ)がつけられました。
●3212種を集録した『富山県産昆虫目録』(1971年8月)を出版
教員を依願退職した後に、それまでの昆虫相調査の集大成として発表。科学的な基礎資料となる総合的な目録としては県内初のもので、退職金の多くを費して自費出版されました。(企画展の冊子から引用)
●昭和の前半は昆虫図鑑も種類が乏しく、ほとんどがモノクロだった中で、田中は着色した手書きのイラスト画=左=を数多く描きました。企画展では田中が収集した昆虫の標本(富山市科学博物館が保管)とイラスト画、著作物などが展示されています。

宇奈月友学館 黒部市宇奈月町下立682
入館料300円、中学生以下無料。月曜休館。(問合せ 0765-65-1010)

黒部の顔』とは・・・

黒部市で毎月折込されている「ニコニコタウン」の人気コーナー「今月の顔」をまいぷれで「黒部の顔」としてご紹介。黒部市でイベントや催し物を主催したり、そのイベントを影で支えている方々にご登場いただき、その苦労話や意気込み、思い入れなどをQ&A方式でご紹介していきます。活躍する方々の顔を黒部市の皆さんに毎月お届けします!

情報提供:ニコニコタウン(2016年2月号)