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生誕120年 森義利 展

黒部市美術館

展覧会概要
会期:2018年4月21日(土)~6月24日(日)
休館日:月曜日(但し4月30日は開館)、5月1日、2日
開館時間:午前9時30分~午後4時30分(入館は午後4時まで)
観覧料:一般700円(600円)、高校・大学生600円(500円)、中学生以下無料 
*( )内は20名様以上の団体料金 
*障害者等手帳をお持ちの方と付き添い1名は無料となります(受付で手帳を提示してください)

本展では東京·日本橋生まれの版画家 森義利の生誕120年を記念して、没後東京都中央区に遺族より寄贈された作品および当館所蔵作品より厳選し、初期から代表作まで一堂にご紹介いたします。元々染色工芸家として活動していた森は、60歳を超えてから版画家として立つ決意をしました。東京下町風物・歌舞伎・平家物語・源氏物語をテーマに、染色と版画技法を織り交ぜた独自の合羽版技法によって、躍動感あふれる世界を作り上げました。森の作品の根底には生涯を過ごした町·日本橋への深い愛情があります。時の流れとともに失われゆく景観や風習を惜しみつつも、そこに懸命に生きた人々に目を向け、常に時代の風を感じながら挑戦し続けた作家のエネルギーは私たちの心に強く響くことでしょう。本展を機に国内外で高く評価されている森の画業を多くの方に知っていただき、臨場感あふれる森版画の世界観を堪能していただければ幸いです。

出品作家について
森義利(1898-1992)
1898(明治31年)日本橋区本船町24番地に魚問屋西源の長男として生まれる。1915(大正4年)文様家の山川霽峰に弟子入りして紋様・染色を学び、その後独立して文様加工業を営む。1938(昭和13年)日本民芸館を見学。柳宗悦の講義を聞き、深い感銘を受ける。芹沢銈介とも交流を持ち、染色工芸家として活動しながら、1954(昭和29年)柳の勧めで棟方志功主宰の日本版画院に版画を初出品する。1957(昭和32年)第1回東京国際版画ビエンナーレ展への出品を機に日本情緒あふれる作風が海外で高く評価される。国内外で個展・受賞多数。没後遺族より200点余の作品が中央区に寄贈された。

展覧会のみどころ
1.初期から代表作まで紹介
本展では森が版画家として立つ決意をしたきっかけとなった1957(昭和32)年第1回東京国際版画ビエンナーレ展で出品された《暮の市》を展示いたします。これらは海外の審査員から高い評価を受け、その後の作家人生に大きな影響を与えました。また、その類まれな才能が最も花開いたとされる1970・80年代にかけて制作された作品も併せて展示いたします。《ささやき》《主上都落ち》《お七》等の源氏物語・平家物語・歌舞伎を題材とした作品は好んで描かれ、作家の豊かで深みのある技術力を感じることができるでしょう。
今回の作品選定には息女である森映子氏にもご協力をいただきました。
粋で洒脱な作家の人柄が感じられる展示内容となっています。

2.合羽版という技法 
森は「合羽版」という版画技法によって作品を制作しました。一般的に合羽版は型紙を切り抜き、刷毛で上から絵の具を摺り込む技法のことを言います。森はこの技法に、染色技法である「型染」の糊防染法を併用して独自の作品世界を築き上げました。この糊防染法は色を入れない箇所に糊を伏せ、最終的に水で洗い流すという工程を踏みます。作品には和紙が使用されていますが、その和紙も水で洗い流すという工程に耐えることのできる特別のものでした。完成までに非常に複雑かつ難解な工程を要しますが、これは「型染」の文様職人という経歴を持つ森であるがゆえに成し得た技といえるでしょう。《主上都落ち》はその技術の高さと合羽版特有の色彩の美しさが際立っている作品といえます。

3.失われゆくふるさと東京への想い
森は東京、特に生涯を過ごした日本橋の景観や風習が時代の流れによって徐々に失われていくことを非常に惜しんでいました。明治維新、関東大震災、東京大空襲からの復興そして高度経済成長を経て東京は大きく近代都市に生まれ変わりました。森の描く世界は江戸から東京に移りゆく時代に生きた働く人々の絵双紙だろうと言われています(*1)その様子は《職人シリーズ》《のれんシリーズ》その他肉筆で描かれた、人々や街角の様子において感じることができるでしょう。また《少々昔の下町図絵》では最も多感な時代の作家の生活圏が描かれているとされています。生涯の多くの時間を過ごした浜町、中洲にある芝居小屋の真砂座、水路に行きかう船々の様子など、それは森が常に求めてやまなかった心象風景であるといわれています(*2)本展では版画家としての森の功績を称えながらも、その根底にある作家の日本橋への深い愛情を感じとっていただければ幸いです。
*1 森義利息女・森映子氏の言葉より
*2 『森義利作品集』東京都中央区教育委員会発行、平成5年より

展示予定作品(70-80点予定)
東京下町風物、源氏物語、平家物語、歌舞伎を題材とした版画作品を中心に、肉筆、スケッチ等
黒部市美術館所蔵作品20点、東京都中央区所蔵作品60点、個人所蔵作品1点程度(予定)
ビデオ「人とその作品 森義利の世界」(1987年町田市立国際版画美術館制作)を小展示室にて随時放映

○担当学芸員による解説 
5月19日(土)、6月16日(土) 13:30~14:00

○グッズ販売 
図録、ポストカード、他予定
  • 開館時間9:30~16:30(入館は16:00まで)
0765-52-5011

基本情報

名称黒部市美術館
フリガナクロベシビジュツカン
住所938-0041 黒部市堀切1035
アクセス北陸自動車道 黒部ICより6.5km
あいの風とやま鉄道黒部駅より1.5km
富山地方鉄道電鉄黒部駅より生地行きに乗り、生地中区藤が丘クリニック前バス停下車徒歩10分
電話番号0765-52-5011
開館時間9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日月曜
祝日の翌日
12月29日~1月3日
展示替期間
駐車場あり
ホームページhttps://kurobe-city-art-museum.jp/
Facebookアカウントhttps://www.facebook.com/kurobecityartmuseum?fref=ts
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