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たちかわ散歩

PLAY! MUSEUM 柚木沙弥郎 life・LIFE展

「くらし」と「人生」2つの“ライフ”をテーマにした展覧会

常に注目を浴びているPLAY! MUSEUM

「もういちど酒井駒子展」が終わり、今回はまたガラリと雰囲気の違う展覧会が開催されています。

染色家でありアーティストの柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)氏の作品を飾った展覧会は、柚木氏の言う「ワクワクしなくちゃつまらない」が散りばめられたものでした。

今回も内覧会をレポ♪

柚木沙弥郎展 展示の様子

柚木沙弥郎とは


1922年に東京都で生まれ、現在も現役の染色家・アーティスト、「工芸家」として活躍する柚木氏。

布の染色作品をはじめ、版画や絵画、立体、絵本などを創作しています。近年ではIDEEや京都のACE HOTELとのコラボレーションなど、世代を超えて注目を集めています。

柚木沙弥郎氏

柚木氏描きおろし展覧会ビジュアル

ワクワクが詰まった展覧会

 

昨年6月にオープンしたPLAY! MUSEUM。今回5回目の企画展となります。

今回はPLAY! プロデューサーの草刈氏、キュレーターの林氏、展示デザイン担当の手塚氏、広報物・会場グラフィックデザイン担当の吉田氏が内覧会で登壇しました。

 

今までは絵本の表現が多かった中、今回は新たな表現として柚木氏の作品が選ばれたそうです。

「ワクワクしなくっちゃ」という柚木氏の言葉を作品を通じて語りかけているそんな展覧会です。

 

70年間続けてきた造形の力強さ、芯の強さを感じる作品の数々。

PLAY! MUSEUMは「アートと初めて出会う場所」なので、新しい可能性で表現できる場所だったと林氏。

理屈は抜きに「感じてもらう」ことを大切にしたい。ぜひ「心を開いて」見て欲しいとのことでした。


左から草刈氏、林氏、手塚氏、吉田氏

絵のみち

 

柚木氏は、いつか絵本を描いてみたいと思っていたそうで、70歳超えてから絵本を描き始めたそうです。

今回は福音館書店0.1.2を中心とした原画約80点が並びます。

 

柚木氏の絵本は、ストーリーを説明し理解するのではなく、身体的感覚、例えば「たかいたかい」で目線が変わるだけなのに嬉しいなど、大人になっても身体の刺激で気持ちの活性化につながる感覚いっぱいの絵本が多いので、そのような感覚を楽しんでもらいたいという想いが込められたのがこの「絵のみち」です。

 

絵本は水彩ほか、布の染色同様、型染めの技法で描かれているものもあります。

1枚の布を染めるように絵を描いているので、額装にもこだわり、三角コーナーに透明のポケットを付けておいているので絵そのものを立体として感じられるようにしているそうです。

「たかいたかい」

「そしたら そしたら」

「ぎったんこ ばったんこ」

絵を立体として感じられる三角ポケット

町の人々

 

展覧会を巡っていると、人形が見えてきました。

原画の数々の中に存在感を放つ個性的な人形たち。これは「トコとグーグーとキキ」(2004年、福音館書店)の中に出てくる町の人々を立体的に表現しようと思い立ち、手近にあった布や材料で40数点を一気に作り上げたものだそうです。

現在日本にある約20点がPLAY! MUSEUMに並びます。

そのほか、型染めの技法で作られたポスターも展示されています。

型染めならではの版画のような独特なタッチの、それでいてカラフルで味のあるポスターは、とても目を引くものでした。

 

 

 

型染ポスター

町の人々

"柚木沙弥郎の森"

 

"柚木沙弥郎の森"を作ろうと思っていたと手塚氏。

うずまき状のMUSEUMの特性を生かし、どんどん深くに入っていくというイメージ。

森の中に入っていくような、光の加減にまで気を配り、テキスタイルを透けて見せるなど工夫を凝らした「布の森」は圧巻です。

 

布の森にたどり着くまでの道には柚木氏の自宅をそのまま表現したという雑貨、小物などが並べられ、キャビネットの中身もそのままの状態で移送してきたそう。キャビネットの中を覗くと、グラスの上に軍艦の模型が乗せられるなどしてそれらの配置もそのままで、柚木氏の生活“life”を垣間見ることが出来ます。

"柚木沙弥郎の森"への入り口

実際の柚木家を表現

柚木家からそのまま持ってきたアイテムの数々

配置もそのままだそう

布の森

 

それらを抜けて広がる「布の森」。

下には砂利が敷かれ、大きく色鮮やかな布が吊るされています。

 

自然の中や暮らしの中から本質的なものを見つけ、それを人間の手で洗練された形にすることが「模様」であると柚木氏は述べているそうで、青があれば水であったり、ピンクがふわっとあれば春の風、といった共通する要素を抽出して模様にしているのかなとキュレーターの林氏。

 

それぞれの作品に誰かが何かを感じるのではと思い、要素の近いものをまとめる意識をして展示の構成したそうです。必ずしもみんなが同じように感じるわけではないかもしれないけれど、予感として感じられるようにまとめているので意識して見てもらえたらとのことでした。

 

確かに、模様には一つひとつ意味があるように感じることが出来ます。何というか、模様が生きているようなそんな印象さえ受けました。

とにかく圧巻の布の森は、実際に行って、自らの五感で様々感じて欲しいと思います。

 


グッズもカフェメニューも柚木ワールド

 

描き下ろしの絵、染色作品、絵本原画をあしらった、PLAY! MUSEUMオリジナルグッズの数々。

「柚木さんになる」「柚木さんででかける」「柚木さんでくらす」「柚木さんであそぶ」をテーマにお買い物が楽しめるそうです。

 

PLAY! CAFEでは限定メニューが登場。柚木氏が愛する街、フランスのパリをイメージしたオリジナルメニューが用意されています。

 

また、上階のPLAY! PARKでも連動ワークショップを開催。柚木氏の制作手法にちなんで、型染めをするときのように紙を切り抜いて版を作り、版を繰り返し刷りながら模様を増やし、完成した作品を吊るして展示することでもう一つの「森」を完成させるそうです。

PLAY! SHOPのグッズ

PLAY! CAFE限定メニュー

今回のお土産は「便箋」

 

PLAY! MUSEUMは来場者への「おみやげ」も楽しみのひとつ。*有料利用者のみ
今回は柚木氏描きおろしの便箋2種のうち1つが貰えます。

また、展示会の度に刊行される図録は今回は特大サイズ!なんとA3サイズの図録です。

原寸大に出力した布を12の片観音いっぱいにレイアウトしたものになります。

作品はもちろん、インタビューも収められています。

おみやげの「便箋」と展覧会図録

「ぐりとぐら しあわせの本」展も引き続き開催中のPLAY! MUSEUM。

今回は今までの企画展とは少し違った雰囲気で、染色家・アーティストの柚木さんを紹介する展覧会でした。
恥ずかしながら、私自身は柚木さんのことはあまり詳しく存じ上げなかったのですが、今回の展示を通して、柚木さんの持つエネルギーと、ワクワクを忘れない心というのがとても深く伝わってきました。

文字では書ききれない魅力溢れる展覧会、是非本物を自身の目で見ていただきたいです。

PLAY!施設情報

PLAY!

〒190-0014
東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3

Tel:MUSEUM 042-518-9625
    PARK 042-518-9627


MUSEUM

平日:10:00-17:00(入場は16:30まで)
休日:10:00-18:00(入場は17:30まで)

PARK

平日10:00-17:00(入場は16:00まで)
休日10:00-18:00(入場は17:00まで)

SHOP

平日:10:00-17:30
休日:10:00-18:30

*MUSEUM利用者のみ入場可

CAFE

平日:10:00-18:00(L.O 17:30)
休日:10:00-19:00(L.O 18:30)

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。