概 要|
「カラーインクの魔術師」と称され、イラストレーター、絵本作家として活躍する永田萠。愛くるしい妖精や花々が色とりどりの画面から語りかけるような心温まる作品は、世代や国境を越え、多くの人びとを魅了しています。1978年に出版した初めての絵本『もえと妖精たち』以来、絵本やエッセイなど著書は170冊余となり、まもなく画業50年を迎える現在も精力的に活躍しています。本展ではイラストレーションを中心に、絵本原画や絵画作品などその魅力をご紹介いたします。夢と色彩あふれるモエ・ワールドをお楽しみください。
出品作家|
永田 萠(ながた もえ/イラストレーター・絵本作家)
1949年兵庫県加西市生まれ。出版社などでグラフィックデザインの仕事に携わった後、1975年にイラストレーターとして独立。1978年初めての絵本『もえと妖精たち』を出版。1982年郵政省発行「ふみの日」記念切手のイラストを手掛ける(以後、数回担当)。1987年エッセイ画集『花待月に』(偕成社)でボローニャ国際児童図書展青少年部門グラフィック賞受賞。2009年兵庫県芸術文化賞を受賞。2018年姫路市立美術館館長、2022年名誉館長に就任。成安造形大学・名誉教授に就任。京都市在住。
本展のポイント|
① 北陸で開催する、初の美術館個展
本展は永田さんにとって北陸で開催する、初の美術館個展となります。
永田さんは1975年に出版社、デザイン会社などの会社勤務を経て独立し、フリーのイラストレーターとして仕事を始めました。1987年には『花待月』(偕成社)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。やなせたかしさん監修の『いちご絵本』『詩とメルヘン』を始めとした様々な雑誌や広告、商品化関連でイラストを手がけ、幅広い年代から支持される人気作家として、第一線で活躍してきました。本展ではまもなく画業50年を迎える永田さんの創作活動を、イラストレーション・絵画作品・絵本原画など、約70点の作品を通してご紹介いたします。
② カラーインク作品
本展では永田さんの代名詞ともいわれる画材「カラーインク」を使用した作品を展示いたします。永田さんは26歳でイラストレーターとして仕事を始めてからずっと変わらず、この画材を使い続けてきました。カラーインクの一番の魅力は透明感と色の鮮やかさにあります。一方で“気難しい画材”と言われるように描く際にはテクニックが要求されますが、永田さんはその特性を熟知し、花や妖精の世界を軽やかに、生き生きと表現しました。そんな永田さんのことを、やなせたかしさんは「カラーインクの魔術師」と呼んでいました。本展ではカラーインクを使用した初期作品の一つである、『うみのいろのバケツ』(1983)の絵本原画も展示いたします。透明感のある美しい色彩を楽しんでいただけましたら幸いです。
③ 「夢みるチカラ」~心の豊かさを求めて~
2019年12月の新型コロナウイルス感染症拡大以降、私たちを取り巻く社会状況は大きく変化しました。多くの人が不安と隣り合わせの日々を送り、その状況が人々の心へ与えた影響は計り知れません。
永田さんは初期の頃より「ひととき心を休められるような、癒される絵を描くことに徹する」という決意をもって描き続けてきました。見る人の心に寄り添い、ほっと温かい気持ちになれる絵は、人々が困難な状況にある今、なおのこと求められているのではないでしょうか。私たちの心を豊かに保ち、生きる力を与えてくれるファンタジーの世界。「創造する、現実を強く生きる、未来に希望を抱く、人を大切に思う、これらはすべて夢を見る力、すなわち想像する力が成せるもの」という信念のもと、描き出された妖精や花々は、私たちの心にあたたかく優しいあかりをそっと灯してくれるに違いありません。全ての世代の方に贈る展覧会です。
展覧会情報|
【展覧会名】 永田萠-夢みるチカラ展
【会期】 2022年7月16日(土)-8月28日(日)
【休館日】 月曜日(但し7月18日開館)、7月19日、20日、8月12日
【開館時間】 午前9時30分―午後4時30分(入館は午後4時まで)
【観覧料】 一般700円(600円)、高校・大学生500円(400円) 中学生以下無料
*( )内は20名様以上の団体料金 *障害者等手帳をお持ちの方と付添1名無料
【主催】 黒部市美術館
【共催】 北日本新聞社
【後援】 射水市大島絵本館、黒部市立図書館
北日本放送、富山テレビ放送、チューリップテレビ、みらーれTV、
新川コミュニティ放送
【企画協力】 株式会社 妖精村
【会場】 黒部市美術館 〒938-0041富山県黒部市堀切1035 TEL/FAX 0765-52-5011
【問合せ先】 同上